なぜ、「子ども・若者ケアラー」か?
YCARPでは意識的に、「ヤングケアラー」ではなく「子ども・若者ケアラー」という言葉を使っています。
「ヤングケアラー」というと、日本で流通している用語では ”人生の限られた一時期、特に青年期にケアを担う” という、年齢によって区分されるようなイメージがつきまといます。
しかし、「ケア」というものは長期に及ぶ可能性があるものです。
小さい頃から大人になるまでずっとケアを抱えているなど、子ども・若者の現時点の生活だけでなく、将来の人生設計全体に計り知れない影響を及ぼします。
私たちは、子ども・若者への長期的かつ一貫した支援が必要である、という立ち位置の表明として、連続性を示す「子ども・若者ケアラー」という用語を使うことにしています。
参照:斎藤真緒(『子ども・若者ケアラーの声からはじまる——ヤングケアラー支援の課題』)
コンセプト
3つの対話
1.当事者同士の対話
ほかの当事者の経験をききながら、子ども・若者ケアラーの多様性について理解を、ともに深めていきます。
2.当事者とサポーターとの対話
これからどんな支援・どんな社会をつくっていきたいか、ともに深めていきます。
3.自分との対話
いままで自分では気づかなかったことや言葉にできなかったことについてともに深めていきます。
活動紹介
どんなプロジェクトなのか?
このプロジェクトは、子ども・若者ケアラーへの支援について、ケアラー本人の立場から意見や具体的な活動を提案・発信していく活動です。
いま、「子ども・若者ケアラー」いわゆる「ヤングケアラー」が注目をあつめています。政府もはじめて支援策をうちだしました。
同プロジェクトは、こんな人にこんなことを支援してもらえたらいいな、こんな活動があったら参加してみたいなど、ケアラー本人をまんなかにして、アイディアを形にしていくことを目指します。
2021年9月25日の発足以来、月1回2時間のオンラインミーティングを行っています。
第1回のキックオフミーティングには、20代~80代の(元)子ども・若者ケアラー当事者や支援者、政治家など、総勢50名以上が参加しました。ミーティングの前半では子ども・若者ケアラーの当事者や支援者、ケアラーに関わる活動をしている様々な立場の人の話をきき、後半では当事者と当事者、当事者とサポーターでディスカッションを行います。
今後は参加者同士でのミーティングのみならず、外部への社会発信・支援展開を見据えた活動もより積極的に行う予定です。活動内容やミーティング内容については参加者の要望によって柔軟に変わる可能性があります。
どんな活動をしているのか?
まずはお気軽にお問い合わせください。(お問い合わせフォームまたはメールにて)
プロジェクトに参加するかどうか迷われていても大丈夫です。
定例ミーティングでは、①子ども・若者ケアラー当事者、②サポーターにわかれてディスカッションを行います。
※「当事者」グループは、子ども・若者世代が中心です。元当事者の方はどちらのグループに入るか自由に選んでいただけますが、「当事者」グループでは子ども・若者世代の発言を中心とします。
※YCARPは元当事者が直面する課題も含めケアラーであることの連続性については重視したうえで、若い世代の課題を明確にすることを目指します。
※子ども・若者に仕事や地域でかかわる人については「サポーター」としてご参加ください。
参加するにはどうすればいいのか?
YCARP事務局が設置されている立命館大学・人間科学研究所は、この活動の一部について、日本財団の助成を受けています。
事業の位置付け・特徴
研究と実践を融合したアクションリサーチの研究プロジェクトであること。
包括的な支援モデルの開発を目指し、様々な事業に取り組みながら、研究を通して効果検証を行っている。当事者の若者が支援モデルの開発主体となっているという特徴がある。
テーマ・事業内容
「子ども・若者を権利主体とする包括的な子ども・若者ケアラー支援モデルの開発」
【ケアラーの可視化とネットワーキング】当事者参画の定例ミーティング・シンポジウム
【ケアラーが働き続けられる職場】ケアラー向け就活講座等
【居場所・住まい】居場所支援に関するパイロットスタディ
【余暇】若者ケアラー向けのキャンプ等
【家族まるごと支援】専門職養成講座等・先駆的な支援実践に関する海外視察研究等
よくいただくお問い合わせについて
YCARPの正式名称はYoung Carers Action Research Projectであり、CARP(Collegiate Association for the Research of the Principle:大学における原理研究会)とは直接的な関係はありません。YCARPは特定の政党を支持したり、宗教の布教活動を行ったりすることはありませんが、そのことは個人の思想信条の自由を否定するものではありません。