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  • 執筆者の写真YCARP

【イベントレポート】子ども・若者ケアラーの安心・安全な語りのために―ストラテジック・シェアリング講習会―

更新日:2023年11月21日

10月28日(土)に、「子ども・若者ケアラーの安心・安全な語りのために―ストラテジック・シェアリング講習会―」を開催しました。

昨今、ヤングケアラーへの社会的注目の高まりや支援を背景として、当事者が講演会や研修会、メディア取材、研究等でのインタビューなど、自身の経験や考えを語る場が増えています。

当事者は語ることによって聴き手に心無い言葉をかけられたり、後から「話過ぎてしまった…」と後悔したり、家族や知人に意図しないかたちで影響したり、語りには様々なリスクがつきものです。同時に、語りには社会に多様なリアリティを伝えたり、当事者にとっての経験の整理になったりという効果もあります。


そこで、YCARPでは当事者の安心・安全な語りの場を保障するための取り組みを始めています。


7月には、聴き手側(依頼者側)ができることをまとめた『「ヤングケアラー」についての取材・講演等ガイドライン~当事者の安心・安全な語りのために依頼者に心がけてほしいこと(第1版)』を発表しました。


そして、10月28日には、語り手側が気をつけられることを学ぼうと、社会的養護の当事者活動を行うIFCA(International Foster Care Alliance)の香坂氏を講師に迎えて、ストラテジック・シェアリング講習会を開催しました。

当事者の方はもちろん、これから講演等の企画を担当するサポーターの方にも参加いただきました。

語りの安全度は人それぞれ違うということ、ライフストーリーのなかで何をどのように語るか/語らないか、場面によって選び戦略(ストラテジー)をたてる必要があること、ということを学びました。

YCARPではより広く安心・安全な語りの場をつくっていくために、今後は講座に参加していない方にも情報を届けられるツールをつくりたいと考えています。  

         文責:河西


感想抜粋


・当事者、支援者、講師派遣の担当であり、登壇する側と登壇を依頼する立場として、悩みながら働いていました。自分の気持ちを一旦置いて、講師を引き受けることにしんどさを感じていたこともあり、SSを知ることができてほっとしています。依頼をする側としても、安全の確保についてもっとできることがあると感じました。ありがとうございました。


・当事者のストーリーは、当事者のモノである、所有する、という意識が大事なことを学びました。そして、周りの人は、当事者のモノであることを尊重して、話を聞く、そのための準備が大切だと考えることができました。実務において活用できる考え方で、良かったです。


・当事者が自らのライフストーリーは自分にとって大切なもので自分のものと思えるように、、、深い言葉だなと思いました。当事者だった過去の自分はそう思っていなかったことを思い起こしました。今からでも過去の自分に語ります。


・私はひきこもりや依存症家族当事者ですが本日は支援者として参加しました。当事者語りは、以前からテーマとしていて、地元でもピアサポートの一環として勉強会などをしていました。その中での気づきと、今回のお話が非常にマッチして、とても共感しうれしい思いでいっぱいです。現在、支援者主催のひきこもり支援活動に関わっていますが、そこでの当事者語りの扱いに苦慮していて、なにかいい指針がないものかと常々思っていました。今回のお話を聞いて、念願が叶った思いです。今後、精神疾患を親に持つ人や宗教2世の当事者活動の支援をしていくかもしれませんので、その際には今日のお話をまずもって関係者と共有したいと思っています。

本日主催してくださった皆様、講師香坂様に心から感謝申し上げます。

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