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【イベントレポート】2023年度専門職養成講座 終了報告養成講座 終了報告

更新日:3月21日

2023年12月16日~17日に実施した「当事者とともに考える子ども・若者ケアラー支援のための専門職養成講座」についてお知らせします。

今年度は「家族まるごと支援」をテーマに、5講座を開講しました。


①「知的障害のある人への家族への支援」(田中智子さん)

感想文抜粋

  • 家庭内の収入に注目されていない事です。ケアラーが働けず、収入面で配偶者に依存せざるを得ない。また、働く事は出来ても、ケアにかける時間が長く十分な収入を得られない。(これは、女性は育児ができて当然・育児は女性がするものという別の問題もあると思います。)本人の収入以上に支出が多く、家族が金銭面で支え続けなければいけない。親なき後はきょうだいが、金銭面でのケアを担うケースも多い。家庭の収入とみられ、当事者の収入が家族に搾取される。など金銭面に関する多くの課題があるにも関わらず「家族の問題」と軽視されがち。金銭面で自立できない状況にあっても、それを解決できる制度がない。結果、生活困窮による疲弊・虐待、家庭内暴力や家族不和、当事者の家庭内の扱い(お世話してもらっている人)など二次・三次の困りが生まれる危険性があると感じる。

  • 知的障がい者を例として取り上げられていましたが、ケアの種類によっては、ケアラーの人生にとって時間軸的にとても長くなるケアとなる可能性がある。また、そのケアは現状家族が担うものという規範にケアラー・家族が縛られ、時には専門的な立場の人からさも当然のように規範を押し付けられている現状。そうした社会の雰囲気がケアラーやその家族にとって、SOSを出しにくい雰囲気につながっている事。



②「地域で子ども・若者とその家族をサポートするラップアラウンド」(久保樹里さん)

感想文抜粋

  • ラップアラウンドの取り組みについては、初めて聞きましたが、ちゃんとゴールをもうけること、何より成果をあげることが求められていることはとても重要だと思いました。また、そのためにもメンバーに出来るだけナチュラルな人を入れる、というのも本当に素晴らしい原則を持っているなと思いました。

  • 当事者が主体になるサポートを時間をかけてチームを構成して伴走型ですすめていくこと・家族まるごと支援が子ども・若者とその家族への囲い込みにならないようにすること。支援機関どうしの力関係の強弱や意見のしやすさ/しづらさが生じないよう、ケアコーディネーターやチーム全体のSVが必要だと感じた。WITHの姿勢を持つ支援者側のフォーマル・インフォーマルでの違いが立場の上下にならないような構造が大切ではないか。



③「ヤングケアラーを支援するために家族全体で取り組む:イギリス シェフィールドヤングケアラーズの例」(Sara Gowenさん)

感想文抜粋

  • 社会から孤立し、不信と不安の中にいる親を、社会への信頼回復、自信の回復、社会への復帰・参加という道筋で家族が家族のままであり続けられるために、批判や否定がない寄り添ったサポートが最も重要だと認識しました。

  • 子ども・若者ケアラーへの支援を行うにあたって、必要性が高い場合には特に家族全体への支援を行うことの重要性が高く、それ無くしては解決が難しいケースもあると感じた。ケースによっては親同士の交流などを、ヤングケアラー支援の活動の一環として取り入れることが可能か、自分の団体の人と話し合ってみたいと思った。

  • 薬物、依存性についての、ケアラーと家族への個別のプログラムがあることや、精神疾患についても考えられているとのことでした。ただでさえ、SOSを自覚しにくいことや言いづらさがある中で、上記の3つのものは、世間の偏見がある項目でもあるなと思いました。ケアラーをひとくくりには出来ないことを知ることが重要だと思いました。



④「子ども・若者のアドボカシーについて考える~専門性と市民性のはざまから~」(安井飛鳥さん)

感想文抜粋

  • 自分の中にかかっているフィルタやバイアスに自覚的になること。そのうえで何ができるか、何をしないかを意識すること。・いろいろな社会問題に対して、いきなり意見表明や意見実現を声高に、それも画一的にすることに触れる機会が多くて、私にはどうもついていけないなぁと思うけれど、最初の意見形成がとても大事なのだということを感じてホッとしたのと、そこを大切にした活動や支援を大事にしたいと思いました。

  • 子どものアドボカシーが最も重要であると考えます。「子どもの権利」と言葉にするのは簡単だか、実際は「子どもだから」と権利がないがしろにされていたり「正しく導いてあげている」と、大人の進めたい方向に向かされている事が多いと感じる。また「話さないからわからない」「まずは話をしてから。」と、話をする事が前提で支援が始まる事も多いと感じる為。



⑤「精神疾患のある親をもつ子ども・家族の理解と支援」(田野中恭子さん)

感想文抜粋

  • 精神疾患の親を持つ子供にとって、一番不足しているものの一つに「情報」という要因があることが個人的に興味深く、その点を社会全体で認識・啓発していくことが重要だと考えた。確かに、子どもや若者ケアラーに対する心理教育的な取り組みは、全く無い訳ではないだろうが、自分が行っているケアや、自分が置かれている状況が、結果として自分の精神的健康の状態を悪化させてしまう恐れがあることや、精神疾患に対する基本的な知識理解、特定の精神疾患を持つ家族とどのように関わっていけば良いのか等、本来当事者が知っておくべき情報について、教えてくれる機関や大人の存在が圧倒的に不足しているように思う。特に、精神疾患については、その対応方法や病気の仕組み等が複雑なことも多いので、分かりやすいシンプルな形で、そういった情報を子どもや若者に対して、啓発していくことの重要性を痛感した。

  • 表面上はヤングケアラーとは認識されていなくても、気になる様子の裏には以前のケアの影響があるのではないか、など、想像力を働かせることに生かしていきたいと思います。




ユース修了生 7名

伊藤杏莉、小原和真、倉重優香、椴山真央、田中暁、氏原拳汰、横川あゆみ


アドバンスドコース修了生 12名  ※一名氏名掲載なし

吹上千惠、合田紀子、原田俊子、橋本愛門田美由希古泉ゆみ、三野啓子、中塚直美、直林裕、内田浩江、山田弘美


前年度修了生(リピーター) 3名

伊貝麻恵、河﨑豊彦、山村和恵





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