9月23日に「YCARP2周年記念イベント 当事者を真ん中に据えた支援とは?―関西でのピアサポート活動に学ぶ―」を開催しました。オンラインで約40名、対面で約10名の当事者・元当事者・サポーターにご参加いただきました。 関西で子ども・若者ケアラー(ヤングケアラー)のピアサポート活動を行っている5団体(1団体、体調不良のため当日欠席)が集結し、それぞれ活動報告のあと、パネルディスカッションを行いました。
参加団体は以下の通り。 特定非営利活動法人 ふうせんの会(大阪)
精神疾患の親をもつ25歳以下の支援団体 NPO法人CoCoTELI(大阪)
公益財団法人 京都市ユースサービス協会(京都)
特定非営利活動法人 こうべユースネット(兵庫)
特定非営利活動法人 こどもソーシャルワークセンター(滋賀)
特定非営利活動法人 芹川の河童(滋賀) ※当日欠席
子ども・若者ケアラー(ヤングケアラー)への社会的関心の高まりのなかで新しく立ち上げられた団体もあれば、子ども・若者支援、ユースワークの視点をもった団体もあり、スタンスの違いが現れました。
パネルディスカッションでは大きく3つの論点に沿って話しました。 ①ピアサポートの場でおきていること(当事者とつながる、つながった後の場づくり)
②ピアサポートと多機関多職種との連携において起きていること(もともと行っている事業との相乗効果、学校や自治体との連携において起きていること)
③ピアサポートの意義と限界(民間のピアサポートだから、自分たちの活動だからできること・できないこと)
具体的には、ピアサポートの場における支援者と当事者との非対称性や距離感、ピアサポーターへのケアの必要性、ケアの話だけでない雑談や余暇の重要性といったミクロレベルの話から、自治体や学校などとの連携、ピアサポートの意義(『「居場所」のち「相談」時々「連携」ところにより「宅配」』)、場のカテゴリー(「ヤングケアラー」と「精神疾患の親をもつ子ども」)といったマクロレベルの話まで、様々な話が飛び交いました。
これを機に関西でつながり、それぞれの強みを活かしながら、当事者を真ん中に据えた子ども・若者ケアラー支援に向けたムーブメントをつくっていきたいと感じます。
(文責:河西)
参加者感想文抜粋 ・支援や当事者が集まれる場、考えやあり方を聞ける場は、地域差があまりにもあることを実感しています。せっかくオンラインで参加できるものがあっても、100%、対象者から外れます。聞き専でしたが、参加できただけで非常にうれしかったです。 また参加してみたいと思いました。 ・充実した内容で勉強になりました。居場所は子どもたちのレスパイトの場として機能しなくてはならないと感じました。また、子どもたちは家庭内のケアから(長期的に)逃げていいのだ、というメッセージをはっきり打ち出す必要があると思います。
・新しい形の関係組織が増えてこれだけ揃ったことに、社会的な認知が広がって来たことを実感しました。一方で当事者の状況の改善はまだ始まったばかりです。これから多様な関係者のつながりを広げていく必要を強く感じました。
・子ども・若者ケアラーへの関わり方や活動への想いについて、様々な団体のお話を聞くことで、自分が活動する団体の考え方を見直すために、大いに参考になりました。
・それぞれの活動の中でこども達が笑顔になるように内容を工夫されている様子が印象的でした。
・支援者の熱い想いを感じた時間でした。だからこそ、関西で支援者同士の横のつながりができることが大切だと実感しました。居場所は一つではなくていい、今日はオンライン、明日はオフラインと使い分けて、社会と接点を持つことは、家族丸ごと支援になっていくのではと思います。 今、ヤングケアラーは注目されている現状で、本人のニーズに合っていない行政に巻き込まれている支援になっている。また、その支援からもこぼれ落ちる子どもたちもいるその中で、居場所があることは、ヤングケアラーたちに子どもの声を聞く人、場所がいると知ってもらう機会になります。常にある安心感を私も届けたいと思いました。 個人の経験は他の人と同じ経験ではない、目の前のケアラーの声を尊重する姿勢を持っているか改めて振り返る時間になりました。
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