9月14日(土)に、3周年記念イベント「ヤングケアラー支援法制化を迎えて―18歳以降も含めた地続きの支援を考える」を開催しました。オンラインで約25名、対面で19名にご参加いただきました。
今回のイベントでは、6月に法制化されたヤングケアラー支援について、子ども家庭庁の古藤様をお招きし、法制化の過程とポイントに加えて、全国の自治体の取り組み状況などにも触れながらお話いただきました。また、関西の支援団体による活動紹介とパネルディスカッションを行い、皆さんには参加者からの質問にもお答えいただきました。
【参加いただいた活動団体は以下の通りです】
・公益財団法人 京都市ユースサービス協会
・社会福祉法人 甲南会 せせらぎ苑
・精神疾患の親をもつ25歳以下の支援団体 NPO法人 CoCoTELI
・特定非営利活動法人 こどもソーシャルワークセンター
・特定非営利活動法人 芹川の河童
第1部の子ども家庭庁の古藤様からのお話では、子ども・若者育成支援推進法にヤングケアラーを定義したことで、子ども(18歳未満)に加えて若者期を切れ目なく支えるという観点から、概ね30歳未満(場合によっては40歳未満)の者を対象としたというお話をいただきました。また、定義にある「過度に」という文言によって支援の対象が制限されないように注意が必用な点、自治体によって取り組みに差があることなどの現状の課題が示されました。
第2部の支援団体によるパネルディスカッションでは、主に「法制化への期待」と「子ども期・若者期のつなぎにかかわっての難しさ」についてお話いただきました。法制化への期待という点に関しては、法制化されたことによる懸念点や課題にも触れながらディスカッションが展開されました。また、「18歳以上の若者支援のインフラの不十分さ」というお話が第1部であり、これも相まって子ども期から若者期への地続きの支援が難しくなっているということでした。
今回のシンポジウムでは、ヤングケアラー行政の中心で働く行政官の方と、実際の現場で支援に携わる方々と、顔を合わせての意見交換が行われました。行政としては、現場の声が足りていないことや自治体ごとに取り組みの差があること等の課題があるとのことでした。今回の論点の中心となった「法制化」というステージを前向きに捉え、それぞれのフィールドで子ども期から若者期にかけての地続きの支援を模索し続けることが重要だと感じました。
【参加者の感想】
〇お恥ずかしいながら、法制化とそれに合わせたさまざまな具体化の通達等不勉強でして、まず全部読んで確認したいと思いました。登壇されたのがユースサービス協会さん以外は滋賀の方ばかりで、滋賀では一般市レベルでも進んでいるなと(京都は遅れをとっているのかなと)感じました。法制化をてこに市でもまず形を整えることと、ヤングケアラー探しというよりまずあらゆる支援に関する課で「子どもさんは」という話をしていくことが近道かもと思いました。ヤングケアラーと規定する抵抗感やスティグマなど、LGBTやひきこもりなどと共通するものがあるなと思いました。社会的課題になり動き出すなかでの当事者の痛み。一方で名前がつかない課題は取り組まれないのもたしかに現実。しんどさが増していっているのか、可視化されていっているだけなのか、その両方なのか?現場から社会を着実に動かしていかれる方々に心から敬意を表します。自分の意思がどこにあるのかわからなくなってしまう。そのことを聞いて若い友人のことを思い出し納得しました。そんなん好きにしたらええやんとなんぼ言ったか知れません。粘り強く付き合いたいと思いました。
〇こども家庭庁の地域社会に期待されることが具体的でわかりやすかった。支援者として周知するとともに、地域住民としてもひとつひとつ積み上げていきたい。幸重氏の「支援の考えは支援者それぞれ、各々の持ち場で努力する」との意味合いの意見に共感した。YCもそれぞれ安心できる人や場所は異なる為、一つでも選択肢を多くしていきたい。家族支援について、当窓口でもYC支援を通し、家族支援の重要性を痛感している。子どもへの支援につなげるためにも、ケアを受ける側の人生を尊重していることを伝える工夫をしている。平井氏の「YCは支援者主観の言葉ではないか、ケアは測れない」との意味合いの言葉が印象に残った。『YC』の使い方が大変難しいことは実感しているが、YCを人そのものを指す言葉ではなく、その人の一部また状態を指す言葉として発信していきたい。
〇頑張らないとなと、大変刺激になりました。(自治体職員です)
〇支援の入り口がヤングケアラーではない団体の方のお話は、とても興味深かったです。入り口がどこであっても構わないし、かえって様々な支援方策につながり支援が広がっていくと感じました。茨木市ももっと他部署・他機関・民間等とつながっていきたいと感じました。いつも気づきをいただきありがとうございます。
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